ブログトップ

愛ある世界

ainakamura.exblog.jp

忘れられない瑣末な話:コンビニにいたチャンピオン

それは1998年、私がまだ20代半ばの頃だった。

前年の悪夢に懲りずに、第二回フジロックへと赴いた私と友人2人。
終わった後、宿泊予定のカプセルホテルのある浅草に向かった。
ホテルの場所を確認した後、食べ物飲み物等の買い出しに近くのコンビニへ。そこで、明日はどこのもんじゃ焼き屋で食べようかと話していたら、突然近くにいた見知らぬ男性が話し掛けてきた。
「あの、もんじゃ焼き屋を探しておられるんですか?」
びっくりしたが、話し方はごく丁寧で好感を持てるものだった。年の頃は20代半ばといったところだろうか。「はい」と答える。
すると、何と「僕の家、もんじゃ焼き屋なんです」と言う。
そして、鞄からショップカードを取り出し、私達に配った。ここから遠くないらしい。
凄い偶然!と盛り上がってる私達に、彼は「僕は家を継いでないんです。僕実は折り紙作家で、TVチャンピオンで優勝もしたんです」と、また唐突に驚く事を言ってのけた。
しばし立ち話した後、チャンピオンと別れてコンビニを出、カプセルホテルへ。勿論その頃には明日そのお店に向かう事に3人の心は決まっていた。

翌日、浅草を少し散策した後、ショップカードの地図を頼りにそのもんじゃ焼き屋へ。
ようやく見つけたそのお店のドアを開けると、目に入ったのは所狭しと並べられた折り紙の大作の数々だった。キングギドラ・ペガサス・ガンダム・etc...。
おっと、思わず見とれてしまったが、本筋のもんじゃを食べねば!
3人はもんじゃ初体験で、お店の方にほぼやってもらって何とか完成。美味しかった事、美味しかった事...。因みに、昨日の彼はその日は留守だったらしい。
そして、食べ終わってお会計を済ませた時に、お土産として当時爆発的に人気が出ていたピカチュウを頂いた。勿論、折り紙。私はそれを壊れないように気をつけて大事に持って帰った。

奈良に帰った後、私はその折り紙ピカチュウを広げ、どうやって折ったか丹念に調べ、自分でも折ってみて、とうとう折り方をマスターした。
そして、いつもの歯科助手のアルバイトに行く時、毎回それをいくつか忍ばせて行って、治療に来た子どもの帰り際に渡すようにした。勿論皆大喜び。
あの時の不思議な出会いが、私を子どもたちの「ピカチュウのお姉さん」にしたのだった。

今でも時々あの偶然を思い出してフフッとなるけど、あのピカチュウの折り方はもう忘れたなぁ。残念…。

_____

むじかの思い出備忘録。不定期に掲載します。

by musicarina-love | 2019-01-13 02:20 | 雑記
むじかのmusica!@谷中の茶ノ間 >>